「ニキビを治療すること」と「肌がきれいになる」は別問題


当社へのご相談の多くはニキビ、ニキビ跡、赤ら顔などの肌トラブルに悩む方たちですが、ほぼ全ての方は、単一の症状にお悩みではありません。

たとえばニキビに悩む方の場合でも、「ニキビ跡が残り、赤みを帯び、毛穴が目立つ」など、複数のトラブルが同時に併発し、しかも長期化していることがほとんどです。

それでもお悩みの立場では、

  • 「ニキビさえ治ればきれいなのに」
  • 「まずニキビを治して、治ったらニキビ跡を治そう」
  • 「毛穴の黒ずみさえ治ればきれいになる」

というふうに、症状についてバラバラにお考えです。

ニキビに関する宣伝による誤解

なぜ、そう考えるかといえば「治してキレイに」という宣伝が多いことの裏返しです。

そうなると

  • 「どの治し方が自分に合うのか?」
  • 「自分のニキビは何ニキビなのか?そのニキビの治療法は?」
  • 「自分の場合のニキビの原因は?その原因さえ解決すれば治る」

などの思考形式も、ほとんど自動的に湧いてきますし、そうなるように宣伝ができているようですね。

また多くの場合、「合う方法なら、パッときれいになる」とも、自動的に考えてしまうようです。これももちろん上手な宣伝の結果ですが。

そのため「即効性」なども必要になってくるわけです。

「即効性と実感」の罠

もちろん「合う方法なら、パッときれいになる」が事実なら、「本物の即効性」もあるのかもしれませんが、「合う方法なら、パッときれいになる」がただの宣伝なら、その「即効性」にはリスクが潜んでいるかもしれません。

なぜならトラブルを起こしている肌が、実際に健康でキレイに変化していくには、相応の期間が必要だからです。

そのような期間をスポイルして得られる実感は、往々にして「肌を壊した結果」であることがほとんどです。だから「最初良くなった気がしたのですが、だんだん効かなくなってきて・・・」的なご相談があります。(参照:ニキビ半減でも95%がニキビ跡になるニキビ治療皮膚科でもくり返す、しつこいニキビを根本的に止める方法

いずれにしても、こうして「治せば解決する」という思考の形式だけは動かないままで、お悩みの本人の立場の課題は「合う方法探し」へと向かいます。

「私に合う方法なら、パッと変わるはずだから、あとはそれを選べばいいだけ」という考えかたになる。

それが、「合う治療法」なのか「合う食事」なのか、「合う化粧品」なのか、それとも水なのか洗顔なのか、それこそ「無限の選択肢」があるわけです。

きれいな肌とは?

「気になる症状がなくなること」が、「肌がきれい」と同義かどうかは、「きれいな肌の定義」がどのようなものかで、なんとでも言えてしまいますが、当社では「正常なバリア構造を安定して作り続けること」としています。

「肌」は「ツルツルすべすべキレイ」などイメージ的に語られがちですが、実際の「人体の役割」で考えれば、体の一番表面で、体を守るバリアです。

つまり肌は「一番過酷な環境にさらされている体の器官」ですから、単純な「ツルツルすべすべキレイ」という話では済みません。

だから
人体の最前線として「丈夫なバリア構造」であること
と、
社会生活を快適に営む上で「見た目にきれい」であること
は、
両立されるべきだと考える必要があります。

また、客観性に著しく欠けるためにあまり私は言いませんが、これらと同時に、「自分で毎日触れるもの」でもあります。ですから「つるつるすべすべした感触」も、やっぱり大事なことではあります。気持ちいいですからね。

肌の細胞は常に入れ替わっている

同時に肌=角質層は、それを構成する細胞が毎日少しずつ入れ替わっています。

ですので固定的な「物」であるというよりは、実際には「物の流れ」というようにイメージしたほうが、より正確にその性質を理解できます。

ご相談でも、「肌の細胞は3ヶ月で入れ替わると聞きました。3ヶ月で治りますか?」という内容をたまに聞かれますが、これも「筋トレの話」では、よく聞きますので、筋肉と混ざった話なのかもしれません。

実際には理想的と言われるサイクルでもひと月、実際には2週間ほどだという話もあります。いずれにせよ基本的には、それくらいのゆっくりしたスパンで入れ替わるものです。

丈夫に作られた理想的な角質層には、水分をかかえるアミノ酸、細胞のすき間を埋める脂質、が存在し、弱酸性の皮脂膜が表面を覆います。

このバリア構造を構成する細胞が、ゆっくりと、安定して入れ替わり続けていることが重要な事です。(参照:きれいな肌とはニキビ治療の前に「慢性ニキビ肌」の理解から

「まずニキビを治して、治ったらニキビ跡を治して」という方針は正しい?

はじめにお話したように、仮に「悩み」がニキビであっても、実際の「肌の状態」が、単なる一過性の局所的なニキビではなく、複数の肌トラブルが長期化して併発している状況なら、問題はそれぞれの症状というよりも、それらが「慢性化し併発していること」です。

そしてその多くは、くり返し作られる肌のバリア構造が、「弱いバリアのくり返し」に陥っていることが多くあります。

この場合、諸症状を何度治しても、「トラブルを起こしやすい肌がくりかえしつくられている」わけですから、やはり、「何度治してもくり返す」ということになります。

もし「ニキビ症状を治す最新治療」を行っても、くり返しニキビができたり、悪化するなどのお悩みなら、症状だけでなく、それがくり返し続く背景もしっかり見極めて対処するほうが、結果的には早く問題を解決できます。

ご相談の中には「まずニキビを治して、治ったらニキビ跡を治そうと思うのですがニキビが治りません」という方もおられますが、「ニキビのくり返しのストップ」は、「治す治さない」という単純な話とは別の問題であることをよく意識しておいて下さい。

固定的ではないものの相手をする

たとえば歯が弱い人が「虫歯」を治しても、「虫歯にならない歯」に、なるわけではありません。

人よりも食べるものや、歯磨きうがいに気をつけておく必要はあります。

また太りやすい人が「減量に成功」しても、「太らない身体」になるわけではありません。

人よりも、食事や運動に気を使わないと、リバウンドということにもなります。

人間の肌、人体は、「人間の意志でつくった人工物」ではありません。

自然のなかの進化の過程で「こうなったもの」です。

だからどれだけ頑張ってみたところで、やっぱり「体の都合に合わせる」事が必要になりますし、それが当然といえば当然の人間のあり方でもあります。(参照:ニキビの完治なら、「ニキビの原因と治療法」の見直しを

スキンケアという言葉は、最近では整形にも使われるようになってしまって、なんでも言えてしまうところがありますが、基本的には、「肌の手入れ」を意味します。

自然派的な「ほったらかしが素晴らしい、ありのままが美しい」という、無理のある言い分もまた、「肌の手入れ」とは違うものです。

生き物として健康で、なおかつ社会的な意味でもキレイになるように、肌の仕組みを利用しながら、無理のないように少しずつ誘導して、それが壊れないように、毎日手入れをしてあげる。

それが「文化的な営み」でもあると、私は思うのですけど、そういう話はなかなか聞いてはもらえません。
※ちなみに文化的なだけではなく、結果的には合理的で、経済的で効率的だったりもします。

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私たちもあなたと同じように、悩んでいました。でも今は...

2014年2月28日17:04 / 投稿者:kazuyuki terada