
レーザー治療による皮膚細菌叢への影響調査の必要性
美容皮膚科でのレーザー治療と皮膚細菌叢(マイクロバイオーム)への影響に関する調査の必要性を強調する記事がJournal of Cosmetic Dermatologyに掲載されています。
レーザーと皮膚マイクロバイオームの交差点をナビゲートする:審美性皮膚科の新たなフロンティア
問題意識として提示されている点は
まず前提になるのは
あたりです。
皮膚細菌叢は、微生物などからの身体の防御、免疫反応の調整なども担う、また、肌表面pH維持にも貢献するため、肌の健康にも重要です。
レーザー技術は制御された熱的・光機械的損傷により、見た目の改善や若返り治はできるものの、微生物との関連はほとんど研究されておらず、考えられるリスクとして
“皮膚の外層を除去するアブレーションレーザーは、マイクロバイオームを大幅に破壊し、より深い組織を日和見病原体にさらす可能性
非アブレーションレーザーは、侵襲性は低いものの、微生物の生息環境を変化させるため、微生物叢に軽度の障害を引き起こす可能性があります。そして
フラクショナルレーザーは、制御された微小損傷を作り出してより迅速な治癒を可能にするため、局所的な微生物集団に影響を与える可能性”
等が指摘されています。
また新たな関心事として、「レーザー治療が生理的皮膚ファージ、特にニキビ菌を標的とするファージなどは、細菌集団を調節し、異常増殖を防いだり、炎症リスクの減少に役立ちますが、存在量の不均衡、多様性の喪失、または遺伝的変化などで、バランスが乱れ、病原性細菌の過剰増殖や、炎症性皮膚疾患を悪化させる可能性もある」とのことです。
マイクロバイオームに配慮した実践
これらを踏まえ、レーザー治療・美容治療において、肌のバリアを保護や、刺激の強いクレンザーやアルコールベースのものの使用を避け、菌に優しくサポートするような製品を組み込むなどが推奨されるとのことです。
さらに「イマドキ」な提案として、人工知能を活用し、患者個々の皮膚細菌叢のプロファイル、皮膚のイメージング、環境などから最適な治療を割り出すなどして、細菌叢のダメージを最小化しつつ、治療の有効性を維持するなども提案されています。
また、これらの研究により、「審美性皮膚科学は、表面的に魅力的な結果だけでなく、生物学的調和の大幅な改善をもたらすように進化することができます。業界のリーダー、化粧品化学者、処方者は、この繊細な微生物エコシステムを尊重する革新的なソリューションを生み出すために協力する必要があります。」と締めくくられています。
(参照:美肌育成に欠かせないニキビ菌)
肌と菌のバランス
健康でキレイな肌では、美肌菌と言われる表皮ブドウ球菌がグリセリンを作り、有害な菌の増殖を抑えています。
が、「美肌菌を増やせば→キレイになる」というわけでもなく、肌自体がそれらが棲息に適した環境であることも必要で、この辺りは相互循環的な話になります。
美肌菌と肌の良い循環を目指したい、とお考えなら、まずはカウンセリングフォームからご相談ください。
私たちもあなたと同じように、悩んでいました。でも今は...
2025年5月22日12:00 / 投稿者:kazuyuki terada