弱酸性のpHが肌に良い理由

弱酸性の肌表面が重要な理由


肌表面は「弱酸性が良い」と言われますが、なぜなのか?いくつか前提を置いてお話します。

肌のph値

小学生の頃、理科の実験で「リトマス紙」を使った実験の記憶はあると思います。水溶液の水素イオン濃度による酸性・中性・アルカリ性を測るものです。

上記のカラーチャートで言えば
「0ー3は強酸性」「4ー6は弱酸性」「7中性」「8-10は弱アルカリ」「11-14強アルカリ性」となります。

肌の表面にも弱酸性~弱アルカリがあり、これは部位によっても違います。臀部、陰部、ワキの下は酸性寄り、顔、胸、手などはアルカリ性になりやすい傾向があります。

また赤ちゃんの肌はアルカリ性(約7)で、成長につれて下がり(酸性)ます。

肌表面は環境

私達は自分自身を「自分のもの」と思いますが、肌表面や腸では菌の生態系が存在し、実際は菌と共生して生命を維持している生物です。
肌表面は細菌の生態系
皮膚の常在菌には「善玉・悪玉」の区分があり、主に美容の話で扱われるのは「善玉菌=表皮ブドウ球菌」「悪玉菌=黄色ブドウ球菌」です。

また、ニキビ菌も常在菌ですが、酸素が嫌いで皮脂が好き(嫌気性好脂性)なので、毛穴に棲息します。ニキビ菌自体に複数種類がありますし、ふさがった毛穴で増えやすくなるため、ニキビ菌の善悪は「状況次第」という傾向が強いと言えます。そのため「日和見菌」とも言われます。(いずれにしても全体のバランスが重要です。)

(参照:自然、人間、皮膚の pH「pH in nature, humans and skin」)

肌の基本的な仕組みと役割

肌は身体を守るバリアです。そのため肌の表面では、「角質層というバリア層を作り→はがれて垢になる」くりかえしを続けています。
基本的に肌表面は「使い捨てのバリア」です。

さらにその表面は、毛穴から出る皮脂や脂質、天然保湿因子(NMF)といったアミノ酸などが混じる「弱酸性の皮脂膜」に覆われます。

弱酸性の肌バリア

善玉菌は弱酸性に適し、悪玉菌はアルカリ性に適するため、弱酸性の肌表面は、「善玉菌が増えやすく、悪玉菌が増えにくい環境」になります。

つまり、弱酸性の肌表面は「身体を守るバリア」となるわけです。

肌表面は「使い捨て」ですので、一度弱酸性になれば「終わり」というものではありません。
正常なバリアを安定して作れている必要があり、それを補助、安定させることが日常のスキンケアや手入れということです。
(参照:きれいな肌とは?ニキビの化膿について

肌のphに影響するもの

肌のphに影響するのは皮脂や汗、水分量、場所、体質や年齢、使用する化粧品類など様々です。

※「原因」というより相関関係ですが、ニキビができやすい・慢性化しやすい人では、アルカリ寄りの傾向が観察されるとあります。
(参照:尋常性ざ瘡における皮膚表面の pH: 観察研究と文献レビューからの洞察

忘れられがちなのが、肌が正常なバリアを形成する「過程」で、肌表面のphが弱酸性になるという点です。
本来なら、肌表面はアルカリ性に傾いても、弱酸性に回復します(アルカリ中和能)から、肌表面のphを気にする必要はありません。しかし、トラブル肌ではそれがうまく行かないことが多々あります。

「何を塗ればいいか?」の前に、まずは肌の仕組み・役割をしっかり押さえておきましょう。
健康な肌作りのご相談はカウンセリングフォームから。

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2023年9月7日12:30 / 投稿者:kazuyuki terada