リンパマッサージでニキビ悪化。なぜ?
リンパマッサージでニキビが治らないご相談をいただきます。
- サロンでフェイスのリンパマッサージをしています。
担当の施術者のアドバイスは顎に溜まっているゴリゴリを流して肌を改善して行くとの事ですが・・・ - 入浴中に顔と首筋のリンパマッサージを行なってます。しかし繰り返しできるニキビに日々困っている状況です。
- 最近はホホバオイルでリンパマッサージを毎日していますが改善出来ません。
まず、ニキビとは何か?なぜリンパマッサージで効果がなかったのか?そしてマッサージで悪化する理由など、一通りイメージできるようにしておきましょう。
リンパの流れが悪いのがニキビの原因?
ニキビは「体の中の毒素」「老廃物の滞った状態」とイメージされることがありますし、そのような宣伝も多くあります。
さらに女性の場合は他にも「血行不良だから●●になる」「代謝が悪いから〇〇になる」「ターンオーバーに悪影響が」といった宣伝を、日常的に見続けていることも多いです。
このような誤解を招く前に、ニキビができるプロセスを理解しておきましょう。
ニキビは「肌表面のバリアが毛穴を塞ぐ→毛穴から出るはずの皮脂が出れない→ニキビ菌や活性酸素による炎症」といったプロセスの結果です。
毛穴で上記の条件が揃うと、「毛穴がニキビ状態になる」という感覚で捉えるほうが良いでしょう。(実際、ニキビの横の、ふさがってない毛穴から「毒素」がドロドロと出てないでしょう?)
ヒトの毛穴の構造上、ニキビという状態は、条件が揃うと誰でも起こります。だからニキビ自体は、人口の9割が経験する「ざらにあるトラブル」でもあるのです。
でも、頭の中で、ニキビを「体内の毒素・老廃物」の滞りのようにイメージしたままで、「口周りやあご、フェイスライン、首」にできると、
「あ、この部分のリンパや血液が滞ってる」「この部分の代謝が悪い」
とイメージしやすくなります。
でも、毛穴やニキビはそういうものではありません。
リンパマッサージでニキビが解決せず、悪化するリスク
上記のようにニキビが形成される条件、さらに、肌の仕組みから考える場合、むしろリンパマッサージのような「行為」は、ニキビを長期化させたり、悪化させるリスクが高いと言えます。
なぜなら、ニキビの形成要因の一つに、「肌の表面である角質層が毛穴を塞ぐ」ということがあるからです。
角質層は「体を守るバリア」ですので、マッサージなどの行為によって、これが壊れてしまうと、肌は「急いでバリアを作る」ようになります。
急いで作られたバリアは未熟なバリアで、「もろい、剥がれやすい、荒れやすい、厚くなる」など、様々な問題を抱えています。
ただ、その下から丈夫なバリアを作れる人の場合、多少壊しても大した問題にはなりません。そのためニキビ治療の多くもバリアを壊す方法を行います。
しかし、慢性的に正常なバリアを作れず、その結果ニキビが出続けている場合は、マッサージ行為でさらに「正常なバリアを作れない」状態が続くことになったり、場合によっては悪化します。
これは、ピーリングでも再発したり、ピーリングでかえって悪化するパターンと同じです。
※ディフェリンゲル、デュアック、エピデュオゲル、ベピオゲルなども同様です。(参照:ニキビと治療薬に関連する記事)
そのため「リンパマッサージを続けても治らない」「ニキビ跡が残るようになった」といった問題も起きてくるのです。
リンパマッサージの好転反応でニキビができる?
リンパマッサージによってニキビが悪化した場合、「好転反応なので乗り越えて」と言われることもあります。
でもその場合の「好転反応」というイメージが「体内の悪いものを出し切ろうとしている」「ニキビは毒素が出ようとしている」というイメージが前提の話です。
(参照:エステでのニキビ悪化や増加は好転反応?)
先ほどお話したように、ニキビは特に「毒」が出ているわけではありません。
角質層のバリア、毛穴から出る皮脂、常在菌といった、「誰の顔にも存在するもの」が、バランスを崩した状態と考えるべきです。
ニキビは「ブツブツ」した見た目ですし、また化膿などを伴った場合、膿を「体内の毒素」のように感じるかもしれません。
でも、そもそも毒素ではないことを理解しておく必要があります。
ニキビは「毛穴がふさがり→皮脂が出れない→炎症」というプロセスが毛穴で生じた結果です。
上記で示したように、「マッサージで肌表面を損傷する→バリアの修復→バリアが毛穴をふさいでしまう→ニキビ形成」が生じるからマッサージでニキビができてしまうのです。
リンパマッサージで治らないニキビの解消法
慢性的にニキビに悩み、皮膚科などに通い、「多くの方が治る美容治療」を行い、それでもニキビが続くような場合、ニキビの原因に関して「自分のニキビはなにか特別なものでは?」と考えがちです。
でも、ニキビ自体は「炎症度合い」「化膿の度合い」「ふさがり度合い」などで様々なバリエーションがありますが、いずれも「体内毒」のようなものが「出ようとしている」という誤解をなくすことが先決です。
ニキビは「誰の顔にも存在するもの」が、バランスを崩した結果、毛穴で起きる状態です。また、それは「誰でも経験すること」です。
つまり「肌のバランスが崩れたまま」なのが問題です。
だから、皮膚科のニキビ治療や、何らか特別な美容法で、このような状態を解決できないのは、不思議なことではありません。
肌のバランスの回復は、専門的なスキンケアの実践が必要です。
それは突拍子のない美容理論や、最新の医療ではなく、非常に基本的な肌の扱い方になります。
これが「慢性的な」ニキビの解決にも必要なのです。
私たちもあなたと同じように、悩んでいました。でも今は...
2019年1月20日18:36 / 投稿者:kazuyuki terada