ニキビへのイソトレチノインはプロラクチン値上昇と関連
もともとイソトレチノインはニキビへの効果と引き換えに、粘膜皮膚毒性、肝毒性、代謝毒性が報告されていましたが、新たな証拠は内分泌障害の可能性を示唆しているとのことです。
尋常性ニキビ治療のためのイソトレチノイン治療:臨床的および生化学的副作用の5年間の回顧的分析
概要と副作用
調査は、2020年6月から2025年6月の5年間、ポーランドの皮膚科クリニックで、イソトレチノイン治療をした370人(平均年齢28.1歳、71.1%が女性)の記録を遡及的にレビューしたものです。
副作用は2ヶ月ごとの間隔で評価され、年齢および投与量との相関を分析とのこと。
主な副作用としては皮膚粘膜反応、乾燥肌(70%)、レチノイド皮膚炎(20%)、口唇炎(15.5%)が挙げられています。これはよく言われるものですね。
1日イソトレチノイン投与量増加は手湿疹の頻度増加、また一方で、累積用量増加で痒みが減少。レチノイド皮膚炎は若い人ほど可能性が高く、過度の皮脂抑制はバリアの問題を生じさせ、結果として高齢患者ほど鱗屑化の可能性が高い。
新たな発見として
調査では新たな知見として
“内分泌転帰に関する発見は特に重要で、患者はこれまでの研究で予想された結果の8倍以上の率でプロラクチン値が上昇しました。これらの予想外の発見は、異なる集団や治療プロトコルにおけるイソトレチノインのホルモン効果に関する追加研究の必要性を示しています。”
とあります。
(参照:高プロラクチン血症)
イソトレチノインは医師の管理下で
上記のようにイソトレチノインはニキビへの効果が高いことと同時に、副作用も様々あります。
今も個人輸入で使用されている方の相談もありますが、以下にも”医師の処方せんまたは指示書に基づき必要な手続きを行わない限り、個人輸入することはできません。”とあるように、医師の管理下で使用するべき薬品です。
(参照:アキュテイン(ACCUTANE)(わが国で未承認の難治性ニキビ治療薬)に関する注意喚起について)
イソトレチノインでもくり返すニキビは?
イソトレチノインは副作用の心配はあるものの、ニキビの治療効果も高い内服薬ではあります。しかし薬や治療法の問題ではなく、ニキビの「くり返し」は、ニキビへの治療で解決するとは限りません。誤解が多い点ですが、そもそもニキビ自体が「治ればできない」という性質のトラブルとは別のものですので、イソトレチノインでもニキビがくり返すことは不思議なことではありません。
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2025年12月11日12:00 / 投稿者:kazuyuki terada
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