
ニキビワクチンはニキビの救世主になるか?(2025)
ネイチャーにニキビワクチン開発競争について記事がありました。
Acne vaccines could offer robust defence
従来のニキビへの対症療法以外にも、新しい選択肢が必要、またmRNAワクチン自体の応用ということもあってか、ニキビ治療のためのワクチンの開発も行われています。
記事ではニキビワクチンの目的と作用について、二通りのアプローチを紹介しています。
mRNA型ニキビワクチン
はじめに記事で紹介されているのは、サノフィ社によるmRNA技術を用いた治療用ニキビワクチン。以下のようなものになります。
- 目的:ニキビの原因となる細菌(Cutibacterium acnes)に対する免疫応答を誘導し、炎症を抑えること。
- 作用:mRNA技術を使い、体内で特定の抗原(細菌の構成成分)を作らせ、それに対する抗体を生成。これにより、ニキビ菌の活動を抑制し、炎症の発生を防ぐ。
- 特徴:既にニキビがある人に対して症状の軽減を目指す。
ライバルになる予防型ワクチン
上記のライバルとして、カリフォルニア大学の研究も紹介されています。
- 目的:ニキビの炎症を未然に防ぐ。
- 作用:ニキビ菌はヒアルロン酸分解酵素をつくり、それが炎症の一因になるので、酵素を中和する抗体を作り、炎症発生プロセスを阻止する。
- 特徴:ニキビができる前に免疫でブロックする予防アプローチ。皮膚の保護成分(ヒアルロン酸)を守り、炎症を防ぐ。
いずれの場合もマウスでの炎症抑制・予防の効果はみられている状態です。経路は違っても、炎症対策に重きを置いていますね。
現在のニキビ治療の実際も
また、長年、美容治療の広告を見ていれば、「新しい治療」が登場した際、よく見る話ですが、過去の治療の問題点を列挙されます。
引用元の記事そのものは広告ではないと思いますが、現在のニキビ治療について
- 現状、ニキビ治療は部分的・一時的な軽減しかできない
- 抗生剤は重大な副作用を伴う
- イソトレチノインでさえ、短期的な解決策にすぎず、ニキビは治療終了後数か月でリバウンドすることがよくある。
と紹介されています。
もちろんこれは、ワクチンが開発される必然性や、期待を高めるための「対比」として「現在の問題」として述べられるものですが、嘘でもありません。
(参照:NY医師「ニキビの根本治療は無い」-根本解決はどうすれば?)
ニキビワクチンでも解消しないニキビはどうすれば?
現在のニキビ治療でも、将来のワクチン治療でも、「ニキビの根絶」はおそらく難しく、なぜならニキビは、「肌表面のバリア・皮脂・ニキビ菌」で出来ているからです。
これらは「美肌」にも存在しますし、作られ続けるものです。
作られ続けるものによる「毛穴のニキビ化」が起きないようにするのは、「治す」とはちがう見方や考え方も重要になります。
まずはカウンセリングフォームからご相談ください。
私たちもあなたと同じように、悩んでいました。でも今は...
2025年9月4日12:00 / 投稿者:kazuyuki terada