なぜ肌が弱アルカリに傾くか?

肌表面がアルカリ性に傾くバランスの崩れ


肌表面のphについては「弱酸性の状態が良い」というお話をしましたが、なぜアルカリ性に偏ることがあるのか?について。

正常なバリア

理想的には弱酸性の状態が良いとして、とはいえ皮脂、汗、水分量、場所、体質や年齢、使用する化粧品類など様々な要因で肌表面はアルカリ性に傾きます。

でも通常、一時的にそのような状態になっても、肌は徐々に弱酸性に回復します。これを「アルカリ中和能」(緩衝能)といいます。
これは毛穴からの皮脂や、表皮由来の脂肪酸、汗や不感知蒸泄などでつくられる皮脂膜によるものです。
(参照:緩衝能

肌表面が弱酸性を回復する緩衝能
この状態が維持できている肌は、水分保持ができ、また見た目にも自然なツヤのある状態です。皮脂は嫌われがちですが、実際にはバリア形成に不可欠なものでもあります。

さらに、カビ菌や化膿を起こす菌が増えにくく、美肌菌と言われる表皮ブドウ球菌が優位な状況になります。

肌の表面は常に細胞が入れ替わっていますが、細胞が入れ替わりながら、正常な構造を維持している肌は、見た目にキレイで、健康な状態と言えます。
(参照:キレイな肌とは

体内はアルカリ性

肌表面は基本的に弱酸性を保ちますが、人体の体内のpH値は、7.35~7.45の弱アルカリ性に保たれています。腎臓では酸を尿として排泄し、体内をアルカリに保ちます。

体内はアルカリ性、肌表面は弱酸性

(参照:pHってなんだ? [東邦大学医療センター大森病院 臨床検査部])

急いで作られるバリアはアルカリ寄り

肌表面のバリアは、表面から0.2㎜内側の表皮基底層で作られた細胞が、分解されながら押し上げられ、入れ替わり続けています。

この時、十分な分解の時間があれば、肌表面は弱酸性になりますが、バリアの損傷や乾燥、刺激などで、急いでバリアを作る状況になる場合もあります。

ターンオーバーが早い肌は、弱アルカリ性になりやすい

急いでバリアをつくる状況では、必要な時間を経ることができない為、細胞の分解は不十分となり、角質層は未熟なままの細胞でバリアを形成し、肌表面は中性~弱アルカリに傾きます。

その結果、悪玉菌といわれる黄色ブドウ球菌が増えやすい環境になり、かぶれなどが生じます。(オムツかぶれや、肘や膝の内側など、擦れやすい場所では悪化要因が重なりやすくもなります。)

(参照:皮膚細菌叢を制御する脂肪酸[PDFファイル])

化粧品は弱酸性がいいのか?

とはいえ多くの場合、肌表面は弱酸性を維持できますので、化粧品のpH自体はさほど神経質になる必要もありません(弱酸性を売りにしている化粧品メーカーでさえも、「気にしなくていい」と言ってたりします)。

が、肌が敏感、荒れやすい、またニキビなどが化膿しやすい人は、自分の肌は表面のバリアを急いでつくっているか?ゆっくりつくれているのか?を意識しておく方が良いでしょう。

ゆっくりバリアをつくりたい方は、カウンセリングフォームからご相談ください。

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2023年10月12日12:30 / 投稿者:kazuyuki terada