サリチル酸ピーリングでもニキビが治らず再発。というご相談
「ニキビに効く成分」と言われ、ピーリング剤やニキビ用化粧品に使用されるサリチル酸ですが
- 皮膚科の治療でニキビ跡が残ってしまい、美容外科に切り替えて、サリチル酸マクロゴールドのピーリングとイオン導入を4か月。でも新しいニキビは繰り返し出ます。
- 皮膚科の治療でもニキビ跡が気になり、ピーリングを勧められてサリチル酸マクロゴールドピーリングを受けました。しかし、受ける毎にニキビが増え、以前より更にニキビ悪化しました。
- サリチル酸ピーリングを半年しましたが、変化はありません。
未だに赤みが頬全体に残って消えない、ニキビが常にあるということで悩んでいます。 - サリチル酸マクロゴールピーリング、Vビームもしました。現在はベピオ使用中。赤ニキビとニキビ跡の色素沈着が消えず、ニキビも繰り返しできます。

など、思ったようにいかないケースのご相談があります。
難しいニキビは「スグに治そう」と頑張る結果、かえって問題が複雑になる場合もあります。まずは話の整理をしましょう。
もくじ
ニキビができるプロセス
ニキビは肌表面のバリア層(角質層)が毛穴をふさいでしまい、皮脂が出れず、ニキビ菌が増え、炎症を起こす毛穴の状態です。

肌のバリア機能
肌表面は0.02mmの薄いバリア=角質層が作られ続けています。
これが身体を守る最前線です。

角質層は常に入れ替わり続けている「使い捨てのバリア」です。
カウントの仕方は諸説ありますが、概ね4~6週間が理想的な入替えサイクルとされます。
サリチル酸のニキビ治療効果
皮脂の出口をバリアさぐことで、毛穴はニキビ状態となります。
したがって、ニキビを治す場合、「バリアの除去」も方法の一つです。

サリチル酸ピーリングは角質層を溶解させ、ニキビの構造を壊す方法になります。
また、肌表面のザラツキなども除去できますので、術後はつるっとした感触になります。
「早い変化・実感」を得られる方法と言えます。
(参照:ピーリング剤としてのサリチル酸:包括的なレビュー )
バリアの損傷で肌はどうなるか?
上記のように、ニキビを即効的に治したり、感触も変わりますので、ピーリング的な方法は受けが良いですが、この行為は同時に「身体守るバリア」の負担にもなります。
バリアの損傷があっても、その後、正常なバリアの入替に回復する場合は「一時的につるっと感を楽しむ・即効的にニキビを治す」で済みます。

でも、この回復が上手く行かない場合は、「ダメージとその反応」という側面が勝ります。
バリアを傷めた肌は、身体を守るため、様々な反応を起こす必要があり、バリアを急いでつくり、余計に荒れ、毛穴をふさぐこともありますし、赤みや皮脂過剰を伴うご相談もあります。
ニキビの「完治」のイメージが問題をこじらせる
ニキビ自体は「肌表面のバリア・皮脂・ニキビ菌」でできます。
これらのバランスが良好な範囲の肌なら肌はノーマルな状態ですが、バランスを崩しやすい・回復しにくい場合は、治してもニキビをはじめとするトラブルは起きやすいですし、上記のように傷めることで却って起きやすくなります。

これは元の肌質と治療との相性で生じる問題ですが、「ニキビを治してもまた出来る」という場合は、
「もともとニキビは、治ればできなくなるものではない」
「ニキビ治療も、出来なくする方法ではない」
と押さえておく必要があります。
サリチル酸でも「治らない」ニキビはどうすれば?
サリチル酸の化粧品、ピーリングなどで、「ニキビ」自体は治せますが、それでイメージ通り、ニキビができなくなるわけではありません。
また、「もともと肌が弱く・ニキビが悪化慢性化しやすい」場合は、肌を傷めるデメリットが勝ることも珍しいことではありません。
でも難しい話ではなく、「肌を健康でキレイに」と考えるのも選択肢です。
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2024年4月18日12:30 / 投稿者:kazuyuki terada
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