ホットヨガや岩盤浴でニキビが悪化する理由

ホットヨガ、岩盤浴でニキビが悪化した人の改善方法


今も「デトックスや新陳代謝でニキビ改善」「大量の汗で美肌効果」と期待を抱く方は少なくないようです。
でも期待に反してニキビが悪化したり、肌トラブルが起きるようになった方もいます。

  • 週一回ホットヨガも通い始めました。でも治りません
  • ホットヨガに通ったのをきっかけに肌状態もかなり悪くなりました
  • 食生活等かなり気を使ったり、岩盤浴などいっぱい行きますが全然改善されません
  • 週に1〜2回温泉にも通い無理ない程度にサウナなどで汗をかき老廃物などはしっかり出せてると思うのですが改善出来ません
  • ホットヨガや岩盤浴で悪化したニキビの相談

肌をキレイにする目的でホットヨガや岩盤浴に通ってもキレイにならないのはなぜか?どんな誤解があるか?どうすればいいのか?考察します。

ホットヨガや岩盤浴とデトックスブーム

ホットヨガは高温多湿の室内でヨガのポーズをとるエクササイズです。

そして「発汗→新陳代謝・毒素輩出・デトックス→健康」といったイメージを持たれているようです。

また岩盤浴も、血流循環が良くなる、血液サラサラで老廃物をデトックス、内臓活性化、代謝が良くなるなどのイメージもあるようです。

また「発汗作用で毛穴の汚れを押し出す」とイメージされる方もいます。

おおむね、「汗・血行 → 代謝が良くなる → 毒や悪いものや老廃物が出る → 良い状態」とイメージされています。

(参照:私のニキビは、内臓が原因ではないですか?!)

ニキビはどういうものか?

まずニキビは、「肌の表面である角質層が毛穴をふさぐ→皮脂が毛穴の外に出れない→中でニキビ菌が増えて炎症」といったプロセスの結果です。
ニキビ形成プロセス

角質層が毛穴をふさがなければ、皮脂は毛穴の外へ出て、毛穴はニキビになりません。

でもニキビは「見た目にブツブツ」「膿や皮脂」のイメージで様ざまな俗説があります。

毛穴は毒素を出す器官?

ニキビの皮脂や膿は、「体内の毒素」と誤解されているので、「毒→毒だし→デトックスや新陳代謝で解決」という説明が受けやすい傾向があります。
汗、皮脂、毒素の誤解

でも、「ヒトの毛穴」は、そもそも毒素を排出する器官とは違います。

化膿は外部から侵入しようとする細菌と、体内の免疫細胞・白血球が戦った死骸です。だからニキビに限らず、ケガ・傷でも化膿します。

汗とは何か?なぜ出るのか?

人体は体温調整のために、血液中の水分を「汗腺」から排出します。

それが皮膚表面で蒸発し、体温を下げることで、体温調整をします。

つまり「毛穴から出る皮脂とは別のもの」です。(※毛穴にも汗腺がありますが、これは体温調整のためのものではありません。)

したがって「温めれば→毛穴から汗が出る→毛穴がすっきりする→ニキビに良い」というものではありません。(参照:「汗で毛穴をキレイに」は本当か?)

また、汗は毒素でもありません。

代謝が良くなる=良いこと、というイメージ

「代謝がよくないからニキビが出続けています」といったように、「私は代謝が悪い」と思い込みを抱えて、さらに「代謝が悪いのがニキビの原因」と思い込みを抱えていらっしゃるご相談も寄せられます。

「代謝」が、酸素や老廃物や水分などの物質の代謝を指すか、肌表面の細胞を指すかは話によりけりですが、人体は生きていれば、常に細胞や物質を入れ替え続けています。

ニキビに限りませんが、特に女性に向けては「代謝が悪いから」と美容健康情報で説明されることが多いようです。

脳は自動的に「代謝が悪い(遅い)のが原因 → 代謝を良くすれば解決」とイメージしますので、このような情報を大量に読み込んだりすると「代謝を良くするにはどうすればいいか?」という問題意識に縛られがちです。
代謝やターンオーバーに関するイメージ
しかし、実際の肌表面は、高齢者でも毎日普通に洗顔すれば、肌表面のバリアは壊れ、それをカバーするために細胞は頻繁に入れ替わります。※表皮ターンオーバーは思われているほど滞るものではありません。

また、普通に水分摂取・尿で排出をしていれば、体内の物質も入れ替わります。

「古い物質や細胞が問題を起こしている」という前提を刷り込まれると、「新しく入れ替えれば解決」しそうな気がします。

でも仮にそれを信じて、古い細胞を壊したとしても、それを修復するために作られる新しい細胞が、またトラブルを起こしやすいバリア構造のままなら、いくら入れ替えても肌はトラブルを起こしやすいままなのです。
(※ピーリングやそれに類似する薬品使用でも注意が必要です。 参照:皮膚科のピーリングでも再発するニキビを肌から変えるノウハウディフェリンで悪化したなら、ニキビを治す前に「肌の見直し」を

ホットヨガや岩盤浴でニキビが悪化するのはなぜ?

本来、健康な肌の表面は弱酸性を維持し、有害な菌が増えにくく、必要な菌が増えやすいバランスを維持しています。

でも大量の汗は肌表面のphバランスをアルカリ性に傾け、有害な菌が増えやすくなります。

また、角質層のふやけすぎはバリアを弱くしますし、その後大量の汗が一気に蒸散すれば、肌は乾燥を感知します。
雑菌の増加や乾燥もニキビの悪化要因

これが肌荒れの要因になりますし、毛穴付近の肌荒れは、ニキビのプロセスの要因になります。また血行は「良く」なるのですが、炎症も悪化します。

(参照:大人ニキビの原因と、それを知っても治らない理由)

さらに汗や体温上昇で痒みなどの敏感肌症状が悪化したり、その結果さらに肌が荒れれば、また毛穴がふさがり、ニキビが形成されることにもなります。

ニキビの悪化は好転反応?

でもこのようなプロセスで悪化した状態を「好転反応」と解釈され、それを続ける方もいます。

「ニキビの悪化は、体内毒素が排出されている証拠」だと思われているなら、そう感じることも不思議なことではありません。

でも、先ほどお話ししたように、ニキビは構造上、「毛穴から排出されるはずの毒素が、毛穴から出れずに滞った状態」とは違います。そもそも毛穴は「悪いものを出すところ」ではないのです。(何が悪いかもわかりませんが)

ホットヨガや岩盤浴、大量の汗などでニキビが悪化する理由として考えられるのは、ふさがった毛穴の数が増える、有害な菌が増えやすくなる、炎症が悪化しやすいなどです。

他の場合では、「薬の効き目でニキビを抑制していた状態」→「薬の使用を止める」などでも悪化することがあるかと思います。

それは「薬の効き目が無くなったから」というものです。それも特に好転しているわけでもありません。

ホットヨガや岩盤浴で悪化しやすい人の対処法

まず肌トラブルやニキビは、大量に汗をかいて代謝や血行を良くして解決する問題とは違います。

そして「好転反応」も実際には理屈がよくわかりませんし、毛穴の構造や役割は「毒出し器官」でもありません。

トラブルを起こしやすい肌の場合、できるだけ早く、柔らかい清潔なタオルで汗を吸い取り、早くスキンケアを行い、肌の状態を整えるべきです。

「大量に汗をかく健康法」は、肌が丈夫なら、リフレッシュ感・爽快感を得るメリットはあるかと思います。

でも、バリアに問題を起こしやすく、実際にトラブルを起こしている肌には弊害が多いのも事実です。

むしろ肌にとって良質の汗は、ホットヨガや岩盤浴、サウナなどで大量にかくよりも、足浴や半身浴で「ほんのりかく汗」です。肌を適度に湿らせ、適切なスキンケアとの組み合わせで、トラブルの予防にも役立ちます。

代謝を良くしたり毒素を出しているつもりだったのに、かえってニキビが悪化する場合、まずはWEBカウンセリングからご相談ください。

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2017年8月10日17:27 / 投稿者:kazuyuki terada