牛脂でのスキンケアはどうでしょう?

牛脂でのスキンケアはどうですか?


私は知りませんでしたが、米国のSNS界隈で「牛脂」でのスキンケアが話題になり、日本でも自然派界隈などで少々、話題になっていたようです。

これを「ソーシャルメディアの神話解消:牛脂編」という形で、ダーマトロジータイムズに記事がありました。

Social Media Mythbusters: Beef Tallow

SNSでトレンドの美容法

これはシリーズにもなっているようで、「患者さんがSNSで何か見て質問してきたら、こういう情報をお伝えしましょう」という企画もののようです。

で、牛脂ですが、これ自体は現在の化粧品化学よりも以前から調理用脂肪や皮膚保護剤として使われてきた歴史はあり、そのため「先祖から伝わる伝統的スキンケア」や、産業革命以前の「非化学スキンケアの知恵への回帰」のようなイメージと共に拡散し、なかなか治らない湿疹、乾癬、ニキビなどの改善に良いという主張もあるようで、一部の方の間では盛り上がったとのこと。

研究者の意見~良い成分・問題を起こしかねない成分

研究者は、ネット上での盛り上がりと科学的証拠との間の大きなミスマッチを指摘。

牛脂をひとくくりに「天然の脂肪」として扱うことで、曖昧になりがちですが、含まれるパルミチン酸やステアリン酸などは、役に立つ可能性はあるものの、同じく牛脂に含まれるオレイン酸は、角質層の細胞間脂質蓄積を妨げ、経皮水分の損失を増加させる(バリア構造が弱まる)メカニズムも特定された現象の一つです。

つまり、バリア機能に良さそうなものと、弱まる可能性があるものが混在しているということです。

もともと皮膚の保護膜ではない脂肪

反ケミカルの立場からは、「祖先の・自然の」という起源を有効性や安全性の指標として扱うことにありますが、実際には以下の点を注意点として挙げられています。

  1. 脂肪酸は通常バリアの健康に良いですが、オレイン酸は肌のバリア構造を乱すことで、水分の流出を増加させることがある。
  2. 脂肪酸には、毛穴詰まりに関連する成分も含まれており牛脂がニキビを改善するという証拠はない
  3. 「ナチュラル=良い」とは限らず、化粧品のように規制された品質や安全基準を経ていない
  4. 使用してもいいが、薬などの代替品としてはならない

とのこと。
本来的に保湿化粧品類は「皮膚バリアの代替物」で、牛脂・脂肪は「エネルギーの蓄積」のためのものです。もともと目的が違うものです。
※ちなみに化粧品には、ラノリンなどの「ヒツジの皮脂」をそれは抽出精製したものを使うこともありますが、「体脂肪」を塗っているわけではありません。

ナチュラル志向なのか、インプレ稼ぎが目的なのか

SNSのインフルエンサー業は「注目を集める・話題を作る」必要性もあるでしょうが、食品を顔に塗るのは衛生面でもどうか?とは思います。

何かを塗ったり、ピーリングでもレチノール類でも、多少の事は大丈夫なのが、丈夫な肌のバリア機能です(限度はあります)。なので多少の「遊び」も大丈夫なのかもしれませんが...。

個人的には「オーガニック・祖先の知恵」的なものは好きではあるのですが、実際に肌の健康維持、美容のためのスキンケアとは、基本の清潔・保湿・保護を徹底することです。
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2026年9月24日12:00 / 投稿者:kazuyuki terada

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